日経小説大賞の授賞式へ潜入


先日、日経小説大賞授賞式というものに初めていってきました!

小説大賞というだけあって、聞くところによると参加者の8割が小説家もしくはその卵たち...

「大人の流儀」が大好きな私は、審査員の伊集院静 目当てでしたが、いろんな気づきがありました

第10回日経小説大賞(日本経済新聞社・日本経済新聞出版社共催)|2019年2月20日(水)|日経ホール

第10回日経小説大賞(日本経済新聞社・日本経済新聞出版社共催)の授賞式・座談会を、2月20日午後7時から、東京都千代田区の日経ホールで開催します。一般公開形式ですので、事前申し込みによりどなたにもご参加いただけます。 日経小説大賞は日本経済新聞130周年を記念し2006年に創設。現代小説、時代小説などのジャンルを問わず、豊かな物語性、時代性、社会性、娯楽性を兼ね備えた小説を公募する文学賞です。今回は「狂歌」で佐伯琴子氏が受賞しました。 第1部は贈賞式。第2部は辻原登、髙樹のぶ子、伊集院静の選考委員3氏に、受賞者の佐伯氏をまじえた座談会を行います。今回の選考を振り返り、受賞作についての評価をいただくとともに、小説の現状と課題などについても議論していただきます。 会場では受賞作『狂歌』と第9回までの受賞作、受賞作家のその後の作品など書籍も販売いたします。辻原登(つじはら・のぼる)1945年和歌山県生まれ。85年「犬かけて」で作家デビュー。90年「村の名前」で芥川賞、99年『翔べ麒麟』で読売文学賞、2000年『遊動亭円木』で谷崎潤一郎賞、05年「枯葉の中の青い炎」で川端康成文学賞、06年『花はさくら木』で大佛次郎賞、10年『許されざる者』で毎日芸術賞、11年『闇の奥』で芸術選奨、12年『韃靼の馬』で司馬遼太郎賞、13年『冬の旅』で伊藤整文学賞を受賞。ほかに『不意撃ち』『籠の鸚鵡』『歌仙はすごい 言葉がひらく「座」の世界』(共著)など、著作は多数。髙樹のぶ子(たかぎ・のぶこ)1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨、10年「トモスイ」で川端康成文学賞を受賞。ほかに『甘苦上海』『マルセル』『香夜』『少女霊異記』『オライオン飛行』『白磁海岸』『ほとほと 歳時記ものがたり』など、著作は多数。1月から日本経済新聞夕刊に「小説伊勢物語 業平」を連載中。伊集院静(いじゅういん・しずか)1950年山口県生まれ。81年「皐月」で作家デビュー。91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で直木賞、94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英

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まず、受賞したのは、九州在住の小説家 佐伯琴子さんの大人の恋愛小説「狂歌」。

この方の経歴を聞いてびっくりしたのですが、現在42歳で、小説に興味を持つようになったのは、35歳頃とのこと。

もともとライターの経験などない中で、地元のタウンページの仕事に転職。そこから文章の勉強をしていくうちに、いつしか小説家に・・・

勝手ながら小説家になる人は、幼い頃から本に触れ合って、心底本に憧れて・・・というイメージをもっていましたが、こうして、日常を時同じくして過ごした人も、情熱があれば、栄誉ある賞までたどり着けるのですね、、、


審査員の方々のお話も、興味深かったのでご紹介。

髙樹のぶ子さん「剥き出しの欲望、前のめりのパッションを感じた。そのパッションは誰もがもつものではないから、大切にして欲しい。

ただし、それを前面に出すと煙たがられる。

次は思い切り感情のおもむくままに書いて、その後に指で文章を隠して、意図が伝わるかをみてみてほしい。意図が伝わるなら、思い切って削ってみる。

熱を発すると人は引いてしまう。人は削ったものに、ひき込まれていくものだから」

なるほど・・・ですよね。これは、メルマガしかり、日々のコミュニケーションでも同じかなと。


伊集院静さん「九州在住で小説を書く姿勢、地方の土着性が素晴らしい。その土着性を短歌で表現したのがユニークだった。

女性の情愛のむなしさを香り立つ色気で描いているが、満たされない心が、この小説のテンションをたもっている。

賞金500万円は次作につながるならば何に使ってもいいと思う。でもまず、私にウィスキーを一杯おごるのがいいんじゃないかな」

エスプリのきいた伊集院さんのコメントはさすが。(このコメントに限らず掛け合いは最高でした)

そして、東京に移り住んだ私がいうのもあれですが、地方で小説を書き続けるって素敵だなと心底思いました。


最後には佐伯さんが小説にのめり込むきっかけとなった小説家の桜木紫乃さんも登場。

実は、昔山形の小説家育成講座で、佐伯さんを教えたことがあり、その際に桜木さんは「いつか何かの受賞パーティーで会える気がするから頑張って」と声をかけたとのこと。

ずっと涙をこらえていた佐伯さんも、感情が一気に流れ出て、観客席にいるこちらも目頭が熱くなるような再開でした。


他にも興味深かった話がたくさんありますが、おいおいどこかでお会いした時にお話させてください!

普段、小説はあまり読まないのですが、凝り固まった頭がふわっと軽くなるような気がして、無性に読みたくなりました。

佐伯さんの本も発売されたそう。かなり官能的な内容のようですが、興味のある方はぜひ、、










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