日経小説大賞の授賞式へ潜入
先日、日経小説大賞授賞式というものに初めていってきました!
小説大賞というだけあって、聞くところによると参加者の8割が小説家もしくはその卵たち...
「大人の流儀」が大好きな私は、審査員の伊集院静 目当てでしたが、いろんな気づきがありました
まず、受賞したのは、九州在住の小説家 佐伯琴子さんの大人の恋愛小説「狂歌」。
この方の経歴を聞いてびっくりしたのですが、現在42歳で、小説に興味を持つようになったのは、35歳頃とのこと。
もともとライターの経験などない中で、地元のタウンページの仕事に転職。そこから文章の勉強をしていくうちに、いつしか小説家に・・・
勝手ながら小説家になる人は、幼い頃から本に触れ合って、心底本に憧れて・・・というイメージをもっていましたが、こうして、日常を時同じくして過ごした人も、情熱があれば、栄誉ある賞までたどり着けるのですね、、、
審査員の方々のお話も、興味深かったのでご紹介。
髙樹のぶ子さん「剥き出しの欲望、前のめりのパッションを感じた。そのパッションは誰もがもつものではないから、大切にして欲しい。
ただし、それを前面に出すと煙たがられる。
次は思い切り感情のおもむくままに書いて、その後に指で文章を隠して、意図が伝わるかをみてみてほしい。意図が伝わるなら、思い切って削ってみる。
熱を発すると人は引いてしまう。人は削ったものに、ひき込まれていくものだから」
なるほど・・・ですよね。これは、メルマガしかり、日々のコミュニケーションでも同じかなと。
伊集院静さん「九州在住で小説を書く姿勢、地方の土着性が素晴らしい。その土着性を短歌で表現したのがユニークだった。
女性の情愛のむなしさを香り立つ色気で描いているが、満たされない心が、この小説のテンションをたもっている。
賞金500万円は次作につながるならば何に使ってもいいと思う。でもまず、私にウィスキーを一杯おごるのがいいんじゃないかな」
エスプリのきいた伊集院さんのコメントはさすが。(このコメントに限らず掛け合いは最高でした)
そして、東京に移り住んだ私がいうのもあれですが、地方で小説を書き続けるって素敵だなと心底思いました。
最後には佐伯さんが小説にのめり込むきっかけとなった小説家の桜木紫乃さんも登場。
実は、昔山形の小説家育成講座で、佐伯さんを教えたことがあり、その際に桜木さんは「いつか何かの受賞パーティーで会える気がするから頑張って」と声をかけたとのこと。
ずっと涙をこらえていた佐伯さんも、感情が一気に流れ出て、観客席にいるこちらも目頭が熱くなるような再開でした。
他にも興味深かった話がたくさんありますが、おいおいどこかでお会いした時にお話させてください!
普段、小説はあまり読まないのですが、凝り固まった頭がふわっと軽くなるような気がして、無性に読みたくなりました。
佐伯さんの本も発売されたそう。かなり官能的な内容のようですが、興味のある方はぜひ、、
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